高校教科「情報」のセンター試験サンプル問題解説(part4)

高校教科情報

令和7年(2022年)に高校教科情報がセンター試験科目に追加されるということで、インフラエンジニアが問題の解説をしてみました。そのpart4です。 今回はネットワーク分野のIPアドレスについての問題を解説したいと思います。

part1を見ていない方はこちらをご覧ください。

第一問 問4の出題範囲

今回は第一問 問4を取り上げようと思います。出題範囲は高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」から『情報通信ネットワークとデータの活用』のようです。

情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目し,情報通信ネットワークや
情報システムにより提供されるサービスを活用し,問題を発見・解決する活動を通し
て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア)情報通信ネットワークの仕組みや構成要素,プロトコルの役割及び情報セキュ
リティを確保するための方法や技術について理解すること。
(イ)データを蓄積,管理,提供する方法,情報通信ネットワークを介して情報シス
テムがサービスを提供する仕組みと特徴について理解すること。

(ウ)データを表現,蓄積するための表し方と,データを収集,整理,分析する方法
について理解し技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア)目的や状況に応じて,情報通信ネットワークにおける必要な構成要素を選択す
るとともに,情報セキュリティを確保する方法について考えること。
(イ)情報システムが提供するサービスの効果的な活用について考えること。

(ウ)データの収集,整理,分析及び結果の表現の方法を適切に選択し,実行し,評
価し改善すること。

高等学校学習指導要領(平成30年)第2章 共通教科情報科の各科目 第1節情報Ⅰ 内容とその取扱い 情報通信ネットワークとデータの活用より引用

問題としては、IPアドレスとサブネットマスクについて理解しているか確認する問題ですね。それでは早速問題を見てみたいと思います。

第一問 問4 問題

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目 情報サンプル問題より引用

この問題は正誤表が出ており、ホワイトボード内のIPアドレスの2進数表記が間違っていたようなので、正しいIPアドレスを埋め込んで修正しています。

第一問 問4 解答

空欄に入る回答は下記の通りです。

  • サ…8
  • シ・ス…1・6
  • セ・ソ…1・8

第一問 問4 サ 解説

この問題は「通信の仕組み」「IPアドレス・サブネットマスク」について理解しているか確認する問題ですね。問題文の中の会話でIPアドレスの説明をしているので、わかりやすくなっていますが、サブネットマスクから割り当てられるホストネットワークの範囲を問う問題や2進数に変換させる問題が出ると難しくなるかもしれません。

問題文の中で解説されている通り、IPアドレスには「ネットワーク部」「ホスト部」の2種類があります。ただ、これだけでは、少し分かりにくいと思うので、まずは通信の仕組みを現実世界の郵便物の配送と対比して、この2つの違いを見てみます。

郵便物を送る際は郵便物に宛先の住所を書いて、ポストに投函すると思います。コンピュータの通信でも同様に、メールを送りたいときは宛先のメールアドレスを指定して、送信します。本当はこのメールアドレスを元に宛先を指定しており、裏側でIPアドレスが関係しているのですが、今回の問題ではわかりやすいようにメールアドレスとIPアドレスの仕組みは省略し、IPアドレスのみで解説します。

次に、郵便の場合、郵便物の宛先が東京都中央区内であれば、集積所からそのまま配送しますが、今回は大阪が宛先になっているため、大阪の集積所へ配送します。コンピュータの通信でも同様に、同じIPアドレスエリア内であればインターネットを経由せずに通信しますが、今回は別のIPアドレスエリアとなっているので、インターネット側に転送します。

郵便物が宛先住所の集積所まで到達すれば、配達員によって、宛先住所まで郵便物が届けられます。コンピュータでも同様に、宛先のIPアドレスエリアまでメールが届くと宛先のコンピュータまでメールが届けられます

これまでの流れを見て、郵便物の流れとコンピュータの通信の流れが似ていることがわかったと思います。郵便物の場合の宛先の配達エリアに当たるものが、IPアドレスの「ネットワーク部」、郵便物の住所に当たる部分がIPアドレスの「ホスト部」であるとわかると思います。

次にIPアドレスの見方を解説したいと思います。先程の説明の通りIPアドレスはネットワーク部とホスト部の2種類で分けられることがわかったと思います。IPアドレスは人間がわかりやすいように10進数で表記されることが多いのですが、コンピュータが扱う際は2進数で表記されます。

IPアドレスの後ろにある「/24」の部分をサブネットマスクと呼び、どこまでがネットワークアドレス部かを表しています。今回の場合は、上から24ビットがネットワーク部ということなので、解答「サ」の答えは「IPアドレス(32ビット)ーネットワーク部(24ビット)=ホスト部(8ビット)」で「8」が解答となります。

ちなみにホスト部に割当が可能なIPアドレスの個数を求める計算も問題文内に記載があったため説明をすると、ホスト部に入る可能性のあるIPアドレスの個数は「2の○乗(通り)」となります。今回の問題の場合は2の8乗(通り)のIPアドレスがあることになります。ただし、全てが使えるわけではなく、最小値は「ネットワークアドレス」、最大値は「管理用アドレス(ブロードキャストアドレス)」として使用されるため、実際に使用が可能なIPアドレス数は、「2の○乗(通り)ー2(通り)」で求められます。今回の問題の場合は、256(通り)ー2(通り)で割当可能なIPアドレス数は254通りとなります。

第一問 問4 シ・ス 解説

この問題は先程の「サ」の解答がわかっていれば解ける問題となっています。

注目する部分はKさんが何台のコンピュータにIPアドレスを割り当てられるか説明している場所で、「256×265-2」と答えています。これは言い換えると、「2の8乗×2の8乗ー2」となり、ホスト部には合計16ビットを割り当てられるということです。

ホスト部に16ビットを割り当てられるサブネットマスクは、「IPアドレス(32ビット)ーホスト部(16ビット)=ネットワーク部(16ビット)」で求められるので、「シ・ス」は「1・6」が正解となります。

第一問 問4 セ・ソ 解説

この問題は10進数を2進数に変換する方法がわからないと解けないので、まずは変換の方法を確認します。

前回のPart3の記事で2進数を10進数に変換する方法は解説しましたが、今回は10進数を2進数に変換する方法です。10進数を2進数に変換するには、10進数を2で割り算をし、商が0になるまで繰り返していきます。その後、あまりを下から順番に並べていくことで、2進数を出すことができます。

それでは、早速問題に戻りましょう。

この問題で注目するべき箇所は「172.16.129.1」と「172.16.160.1」が同じネットワークに属しているということです。これはつまり2つのネットワーク部のビット数は同じということを表しています。

それぞれのIPアドレスを見てみると3つ目の区切り(第3オクテット)から違いが見えるので、それぞれの第3オクテットの数字を2進数に変換します。そうすると上位2ビットのみが共通であることがわかるため、この部分がネットワーク部に含まれることがわかります。

以上のことから、「172(第1オクテット)」と「16(第2オクテット)」+「2ビット(第3オクテットの上位2ビット)」がネットワーク部なので、18ビットが正解だとわかります。

ちなみに確認をすることもでき、「/18」の場合は「172.16.128.0/18」となり、「172.16.128.1~172.16.191.25」のホストを割り当て可能となります。この範囲に「172.16.129.1」と「172.16.160.1」は含まれているため、18ビットであっていると確認できます。

まとめ

今回、高校教科「情報」のセンター試験サンプル問題(大問1問4)を解説してみました。この問題で取り上げているネットワークの仕組みは、コンピュータの仕組みを理解するための重要な場所となるので、今回も細かく説明をしています。もし興味があれば次回の解説も見ていただきたいと思います。

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