令和7年(2022年)に高校教科情報がセンター試験科目に追加されるということで、インフラエンジニアが問題の解説をしてみました。そのpart2です。part1を見ていない方はこちらをご覧ください。
第一問 問2の出題範囲
今回は第一問 問2を取り上げようと思います。出題範囲は高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」から『コミュニケーションと情報デザイン』のようです。
『コミュニケーションと情報デザイン』 の学習指導要領を見てみます。
メディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目的や状況に応じ
高等学校学習指導要領(平成30年)第2章 共通教科情報科の各科目 第1節情報Ⅰ 内容とその取扱い コミュニケーションと情報デザインより引用
て受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通して,次の事項を身に付けることがで
きるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) メディアの特性とコミュニケーション手段の特徴について,その変遷も踏まえ
て科学的に理解すること。
(イ) 情報デザインが人や社会に果たしている役割を理解すること。
(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法を理解
し表現する技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) メディアとコミュニケーション手段の関係を科学的に捉え,それらを目的や状
況に応じて適切に選択すること。
(イ) コミュニケーションの目的を明確にして,適切かつ効果的な情報デザインを考
えること。
(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法に基づ
いて表現し,評価し改善すること。
該当箇所はほぼ全部のようですね。問題としては、『情報をうまく伝える方法を知っているか。伝えられるか』ということを問いたい問題のようです。
それでは早速問題を見ていきたいと思います。
第一問 問2 問題

第一問 問2 解答
空欄に入る回答は下記の通りです。
- オ…1(ベン図)
- カ…5(サイクル図、フロー図)
- キ…2(マトリクス図、2軸図)
第一問 問2 オ 解説
この問題は、データを表すときに適切な図を選択できるかという問題ですね。
数学IAの集合の単元で学ぶ「ベン図」や社会科目でよく出てくる「ピラミッド図」は馴染みがあるかもしれませんが、中には情報のカリキュラム以外ではあまり勉強しない図もあるかもしれません。
今回は情報を表すのに適切な図を選ぶだけの問題でしたが、図の名称や使い方を問う問題になると難易度が上がってくるかもしれません。
解答の説明
まずこの問題を解くには、それぞれの図が何を表したいときに使うものなのかを理解しておく必要があります。私が個人的にどういった時に使う図かまとめてみたのが下記です。

問題文には、「クラス全員の通学手段を分類したい」と書いてあることから、まずは分類に適した図を候補とします。そうすると1か2ぐらいしか選択肢がなくなります。
次に要素としては、「電車」「バス」「自転車」の利用者で分類したいと書いてあるので、3要素の分類が必要です。そして、通学手段を想像してほしいのですが、人によっては、「『電車』で駅まで行ってその後『電車』で通学する人」もいれば、徒歩のみで 『電車』『バス』『自転車』 は一つも使わない人」もいますよね。
こういった要素の重複やどの要素にも属さないという人も分類する必要があるので、こういった分類が可能なのは、1番のベン図ということになります。
参考として、今回の問題のベン図を作ってみました。その他に分類される通学手段はイメージ図にある徒歩やバイク通学以外にも色々あると思いますが、2つだけ例として入れてみました。

第一問 問2 カ 解説
この問題を解くにはプロセスを表す図として何を使うとわかりやすいか理解していれば解ける問題となっています。
解答の説明
こちらの問題文には、『多くの人の意見を何度も聞き、「Plan」「Do」「Check」「Action」といった流れで表現』と記載があることから、プロセスを表す図を選べば良いと言うことがわかります。
選択肢の中で流れ(プロセス)について説明をしているのは、5番だけなので、こちらが正解になります。
ちなみに 「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(行動)」の流れのことをPDCAサイクルと言い、これらを繰り返して、目標に向けて改善をして行くことをPDCAサイクルを回すと言います。
参考としてこちらもイメージ図を作ってみました。

第一問 問2 キ 解説
この問題を解くには2軸のグループ分けとして何を使うとわかりやすいか理解していれば解ける問題となっています。
解答の解説
こちらの問題文には『パソコンを価格と重量に着目して…』と記載があることから、2つの軸を使って分類することがわかります。また、その要素についても4つの区分となることが問題文に記載されているので、2番が解答になります。
また、マトリクス図を使うときは、価格や重量など連続した数字で軸を取る以外にも、「相対的にブランドイメージが強いか弱い」などで軸を設定することもあります。
こちらも参考としてイメージ図を作ってみました。

その他の選択肢
その他の選択肢についても見ておこうかと思います。
0番は「ピラミッド図」となります。「上下関係」や「比率」、「階層」などを表す図となっています。情報以外の科目でも目にする機会が多い図だと思います。例としては下記になります。
- 上下関係…食物連鎖のピラミッド図
- 比率…アフリカの人口ピラミッド図
- 階層…中世ヨーロッパの階層社会図
3番はどういった図と言えばいいのか難しいのですが、あえて言うなら帰納法で結論を出す時に使用する図でしょうか。帰納法は、複数の要素や分析から結論を導き出す方法で、「①自分は犬に必ず吠えられる」「②人に懐きやすい猫に逃げられる」といった要素から、「自分は動物に嫌われている」という結論を導出するイメージです。このように例を出すとイメージしやすいかと思いますが、帰納法という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんね。
4番は「樹形図or組織図」となります。上下関係を表したり組織表す時に使う図となっています。
まとめ
今回、高校教科「情報」のセンター試験サンプル問題(大問1問2)を解説してみました。もし興味があれば次回の解説も見ていただきたいと思います。



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